★女性は天秤職人

 こんにちわ。マジックやペンのフタを取れば、高確率の割合でお父さん指とお母さん指の間に色が着く古賀です。
 報告するまでもないですか?
 最近微妙だ。外出準備中での服選びが微妙になって来た。寒いんだか暑いんだか微妙な感じなのだ。分かるでしょ?
 長袖も持ってけ。
 傘もだ。曇ってんだけど雨降らなかった場合悔しいし、コンビニに置いて来ちゃうし折りたたみ買っとけ。
 一本いっとけ。
 以前のススメに、僕は少々の雨では傘はささないと書いたが、最近さす事にしたから。
 そろそろ運動会のシズーンだね。シーズンか。運動会のシーズーン。皆さんはどんな運動会を思い出のアルバムにアルバームにしまってますか?ブルーマですか?フォクダンスーですか?100メトルー走ですか?クラス対抗リーレですか?ムカついてますか?カルーセルカルーシウムですか?足らないですか?
 僕はこうだ。小学生の頃ならば必死に走った。何故ならば『足速い』=『運動神経良い』=『クラスでデカイ顔容認』=『女子にチヤホヤ』だったからだ。中学生の頃ならば負けそうな気配がすれば諦めた。何故ならば『足速い』=『運動神経は良い』=『運動神経だけは良いねぇ(女子)』=『笑』=『クラスの笑い担当』だったからだ。「諦めが肝心」という事を覚えたのもこの頃だ。今思うと何かを諦める度に大人になっていったのかもしれない。「父ちゃん、これが大人になるっていう事なの?だったら僕、大人になんかなりたくないやい!」父「バカヤロウ!これが大人になるっていう事ですか?だろうが!」
 高校生の頃に至っては、もうね、走らなかった。何故ならば『足速い』=『バカ』みたいな風習に取って代わったからだ。空気が。俺が母ちゃんが縫ってくれたは良いけどゼッケンが微妙に右肩上がりの半袖体操服とおそらく高校生活のうちに貸し借りのし過ぎでもう誰のなんだか解らなくなってる黄ばんだ半ズボン(特に尻の部分。体育座りのし過ぎ)で必死に走ったとこで、ジャージーに身を包んで静かに座っている医学書とかの本でも読んでそうな男に女子は夢中になっていたのだ。いつから女子は泥んこの男が嫌になるのだろう。いつから女子は小学校時代ならゴキブリ掴んで寄って行くと笑って逃げたのに中学校時代になったら机に座ってあきれ笑いなんだろう。ポニーテールを結び直しながらあきれ顔なんだろう。あ、分岐点は小学校卒業にあるのかもしれない。きっとそうだ。気付けば良かった。
 毎年秋になると、こんな事を思い出し切なくなる。枯れ葉に身を包みたくなる。よく考えたらそうでもない。
 女性の皆さん。アルバムに写っている自分の顔をよく見て御覧なさい。特に小学生の自分と中学生の自分をよく見比べて御覧なさい。貴女は何を捨てて大人になったのですか?天秤を持たない小学生の貴女が写っているでしょう。何かを手に入れる為には何かを手放さなければならないのです。
 そう。
 『オレたちひょうきん族』の為に全員集合を捨てたように。