★キャッチーなキャッチ

 こんにちわ。昨日新宿で後ろから「あ、落としましたよ」と言われたので振り返ると「あのおっぱいお兄さんのじゃないスか?」と風俗店を指された古賀です。
 正直もっすごウケた。「なんだ、ここにあったか俺のおっぱい」とか言いそうになったからね。このような勧誘がウザイ場合、最もやっちゃいかんのが無駄に会話する事、興味を示す事である。僕が不覚にも笑っちゃったもんだからキャッチのお兄さん食らい付いて離さない。僕の頭は「無視無視話すもんか」お兄さん「ウシウシ離すもんか」
 僕の勧誘されっぷりは結構素人には負けない。彼等の脳裏にある「コイツはカモ」リストのどの項目に引っ掛かるのかは知らないが、まぁよくキャッチに会う。過去には上野駅構内のキヨスクで「お兄さん、良い娘いますよ」と言われた事がある程だ。ハイチュウ買うんだよこっちは。誤解しないで頂きたいのが決して欲求不満顔を露骨に出して歩いているわけではないよ。これは生まれつきだ。生まれつき女性を愛してしまう顔なのだ。まぁそれはいい。何故そうも頻繁に声を掛けられるのか。心当たりが無い事も無い。歓楽街を歩く際、僕はどうしても風俗店の看板をお上りさんよろしく見上げてしまうクセがある。だからといって物色していると判断するのは軽卒過ぎないだろうか。面白いのだ。風俗店の名前が。『パイパニック』これは小学生でも知っているいかがわしい店の名前だ。おっぱい見たら冷静さを失い混乱する様子、そんな刺激的なお店ですよ、というのが実に上手く表現されている。他にも『踊る!大想挿店』や『セーラー服と利かん棒』『ハロー風呂デース略してハロ風呂』や『冬のスマタ』等が挙げられる。どんなモノにせよどんな人間にせよ面白いもんにはつい反応してしまう。ここで読者の男性諸君に気持ちよい勧誘の断わり方を伝授しよう。必見だ。まず初級編。電話がかかってくる。架空の友人から。ま、これは初歩的な対処法だね。男性の8割は実行した経験があるに違いない。電話の相手と会話してるからお兄さんとは話せないんだよ、といった具合だ。しかし最近の携帯は通話中エンブレムが光るモノが多い。気をつけないとバレるぞ。あとは架空会話中は何故だか疑問形が多くなるという統計も出ている。「なに?うん、うん、うん?うん、マジで?」といった具合だ。どんだけモノ知りの友人だよ、となるから気をつけろ。中級編。妙にスッキリした面持ちで歩く。顔をテカテカできるならなお良い。少しやつれた感じに出来るならもっと良い。「もうお腹いっぱい」オーラを発して歩くべし。上級編。これは実際僕が最も使用する拒絶法だ。「同業」これだ。「どうですか?遊んで行きません?」「同業」終了。これ一発。髪を茶髪のロン毛にして黒のロングコート着れるならなお良い。頭悪そうな女と「ダサくね?マジ、超ダサくね?」と会話するならもっと良い。演技者編。役者を志す者ならば一度は挑戦して貰いたい。それは「どうですか?遊んで行きません?」に対して「あの、手相の勉強してるんですが〜」と切り返してみるというものだ。目には目を。勧誘には勧誘を。だ。もしキャッチの兄ちゃんの手相を見るにまで至った場合は、もうその時点で君の演技力は嵐のメンバーを超えている。深田恭子に追いつけだ。
 いかなる勧誘も断固拒否可能レベルに到達している僕も、1つだけ絶対断われない事がある。
 それは
 美しい君からのお願いに他ならない。