★セーラーの細いスカーフは何を結ぶか

 こんにちわ。中学を卒業する時に当時付き合っていた彼女から制服の第二ボタンをせがまれなかった事が未だにしっくり来てない古賀です。
 後輩達に「古賀先輩!第二ボタン下さい!!」攻めにあうに違いないと思い、購買部でもっすご買ったからね。ボタン。もっすご余ったからね。弟にやった。どうせ使うし。そんな馬鹿学生万歳シーズンが今年もやって来た。『卒業』うん、いつ聞いてもほんのりと青春の匂いが漂う響きではないか。僕は嫌いではない。やはり今の若人達も最後の告白的なイベントをやるのだろうか。「実は好きでした」みたいな。良いねぇ。程よい。程よいよ、その青さ。今後もよく勉強してホリエモンみたいになってくれな。恋愛とかを。買収しちゃえ。ちなみにホリエモンの彼女になればオーディション落選してもニュースにしてくれるぞ。頑張れ。
 僕はこの時期になると毎年決まって何かから一つ卒業する事にしている。一昨年はフィギュアから卒業した。昨年はタバコから卒業した。卒業してすぐ入学した。今年はそうねぇ。綿棒で耳掃除した後の綿棒の匂いが気になる事から卒業しよう。考えないようにしよう。汚いとか言うな。大人は。みんな。汚い。とかね。
 眼鏡のね、眼鏡の横の棒が折れた。普段家で眼鏡っ子の僕はたいそう不自由だ。ヒモで縛って固定したり、顔横向けてパソコンいじったりしてみたが辛抱たまらず行きつけの眼鏡屋に行った。オシャレ眼鏡にしてやろうと随分吟味した末候補に三つを選定。モノを見た感じと実際かけてみた感じとではイメージが違うため早速試着してみる。見えねぇ。見えねぇんだよ全く。ヒモで固定した眼鏡かけて行ったもんだから鏡に映るオシャレ眼鏡しているであろう自分の姿がまったくもって見えない。店員の超美人のお姉さんに「どっすかね?」と聞いてみたりするも「お似合いですねぇ」としか言ってくれない。超美人かどうかも見えてねぇ。お姉さんだったかどうかすら定かではない。とりあえず視力検査して自力では何一つ世界が見えてないっぷりを最大限に発揮した後、茶色っぽいフチの眼鏡を注文して帰って来た。今となっては本当に茶色だったかもよく分からない。分からない事だらけだ。
 『卒業』って『眼鏡』みたいなモノだと思う。思わない。本当は全然思ってない。でも中途半端に二つ話題にしちゃったもんだからおさまりが悪いので、思う。ちょっと待ってね。・・・眼鏡をカケると見えなかったものが見えてくる。いいぞ。青春をカケ抜け卒業すると見たくないものまで見えてくる。でもね、眼鏡も卒業もしないではいられない。僕らの目は幸も不幸も平等に映し出す。暗闇を見ずにはトンネルも抜けられない。
 ただ一つ。言いたいのは、卒業式での在校生代表の挨拶「卒業生の皆様がこの学校を巣立って行かれる事は、とても寂しいですが〜」これはまるっきりのウソだって事。せいせいしたもん。
 この在校生代表の挨拶をする生徒の眼鏡着用率八十%。